函館にある中学校の、理科の教師になって三年目。
まだまだ新米です。
昨年の夏、北海道の教育委員会主催のセミナーに理科主任の佐藤清美先生と出席することになりました。
佐藤先生は43歳、美人ではないけれど細身で明るい性格で生徒達にも同僚の教師達にも人気があります。
頭も良くて包容力があるというか、誰の意見でも真っ向から否定することはなく、理解しながら的確なアドバイスを下さる点は新米教師の私としても見習わなくてはいけない点だと思います。
それに学校ではいつも白衣を着ていますが佐藤先生が実はすばらしいプロポーションの持ち主であることは僕は知っていました。
セミナーは室蘭のセミナーハウスで三日間にわたって行われ、三日目の夕方にはいちおう閉幕したのですが、道内でも遠くから来ている人は、もう一泊泊まりその日の夜打ち上げパーティーをやることになりました。
一次会の後、他の先輩先生達は室蘭の町へと繰り出して行きましたが、僕と佐藤先生は彼女の部屋で飲み直すことにしたのです。
40半ばの大人の女性と30前の男、話は佐藤先生(セミナー期間中は〇〇先生と言うのは厳禁でしたから、清美さんと呼びましょう)が独身男性がさも珍しいかのように色々と質問してきて私がおどけて答える、そしてお互いに笑い合う、時に私の反応を試すような意地悪な質問をぶつけてきくると、私も清美さんの期待に応えておどどと話にくそうに答える、そんな姉弟のような会話が続いていました。
SEXの話をし出したのは清美さんの方でした。
と言っても女性の好みや独身の男性はどうやって処理してるの?とか聞かれ、僕も大げさに困ったように答えていました。
「敬ちゃん、彼女はいるの?」
「いないですよ、知ってるくせに」
「あら、だってみんなに隠して可愛い彼女がいるかも知れない、って」